2016年度 ミス・デントン永眠記念墓前礼拝 ご報告

 日時: 20161222日(木) 午前11~11時半

 場所: 相国寺 長得院

  第69回目の墓前礼拝を迎えることが出来ました。

 曇り空、朝から暖かい空気の中、小鳥たちの歌声が礼拝のスタートに花を添えてくれました。

  大谷総長、加賀女子大学長、辻村女子中高校長、堂腰幼稚園園長をはじめ、同志社関係者70名の

  方々に参列を賜りました。

  奨励者 玉村三保子同窓会会長による「デントン先生への手紙」を伺うことが出来ました。

  お手紙の全文も併せてご覧下さい。

ミス・デントン永眠記念墓前礼拝 式次第 

                  司会 加賀 由起子

   奨励 玉村 三保子

   奏楽 福丸 百合子   

   

    黙祷                       一同

    讃美歌  21-566番「むくいを望まで」      一同   

    聖書朗読 ヨハネによる福音書316節       橘 薫子

    祈祷                       橘 薫子

    奨励者紹介                    司会者

    奨励  「デントン先生への手紙」         玉村 三保子

    祈祷                       玉村 三保子

奨励「デントン先生への手紙」 

同志社同窓会会長 玉村 三保子 

  私は同志社同窓会会長として28名の評議員とともに同窓会を運営しています玉村三保子と申します。3年前に「デントン先生永眠記念礼拝のお話は1年目は才籐先生、2年目は辻村校長、3年目は玉村会長ですよ」と言われ、まだまだ先だと思い、「良いですよ」とお引き受けましたが 、あっという間に今日の日を迎えました。

  毎年同志社同窓会ではデントン先生永眠記念日を覚え、先生の墓前で礼拝を持って先生に感謝しています。今年も先生の墓前で皆様と共に先生に思いを馳せる時を与えられ感謝です。デントン先生は私が生まれた年の、昭和221224日に神様の身元に帰られました。それからずっといつも私たちを見守ってくださっておられると信じています。今日は、手紙に託して先生に感謝を捧げたいと思います。

 

 

デントン先生、お元気に天国でお過ごしでしょうか?今日は先生の昇天を記念して、墓前に集まりみんなで礼拝を守っています。先生が昭和221224日、クリスマスイヴの日に天国に召され、はや69年が経ちました。沢山の先生を知っておられる方も天国に行かれ、そちらで賑やかになさっておられることと思います。天国でも生徒さんたちを追いかけて、「早く礼拝に出なさい」とおしゃっている先生の声が聞こえてくるようです。

思えば、先生はゴードン博士の勧めで新島先生の建てられた同志社に、宣教師として遠くアメリカから来て下さいました。まだ日本が貧しく、女性の地位も低い時代に女性の地位向上の為に、キリストの愛を宣べ伝えるべく、日本で伝道をするという大きな役目を持って、明治の時代1888 年に同志社の門をくぐって下さいました。それから60年間、先生は同志社女子部のために尊い生涯を捧げて下さいました。第二次世界大戦中もデントンハウスから出ることなく日本に残られ、辛い思いをしながら女子部を見守って下さいました。先生の大きな愛によって女子部は女子中高も、女子大学も大きく発展いたしました。先生はびっくりなさるでしょう!今では女子大学ではデントン先生のように、礼拝に出ない学生を追いかけてまでは強要しないようになりましたが、女子中高はその当時と同じように朝の礼拝に始まり終礼を持って1日が終わります。

  先ほど司会者に読んでいただいた新島先生の愛唱聖句「神様 はどんな時にもこの世を愛してくださっている」という信仰を持って、同志社を建てられた新島先生の志に共感した先生は、京都にきて同志社で宣教師としてお働きになり、デントン先生の生き様を通し生徒・学生に神の愛を教えて下さいました。「怖かったけど、先生が私たちを愛して怒ってくださったのが卒業後わかった」と書かれている手記もあります。先生の伝記を読みながら先生の生徒、学生に対する行いの全てが、深い愛から出ている、ということをつくづく感じます。

先日松山支部の皆さんが今出川キャンパスを訪ねて、先生が奔走してくださって、建てられた栄光館、ジェームズ館を懐かしく見学なさいました。先生が天国に召されてから今日まで69年の間に、今出川キャンパスは栄光館を中心に美しく様変わりしました。

しかしデントン先生の教えは忘れられる事なく、今も脈々と受け継がれています。

先生は学校の教育活動充実のために、バザーを開くことを教えて下さいました。同窓会では今でもバザーの為に心を込めてみんなで同窓会館でお仕事会をして準備をし、今年も盛大にバザーを行いました。デントン先生がまかれた種はこのようにして育っています。

また、同窓会ではデントンレシピ研究会を2年前から立上げ、先生が当時の女学校、女子専門学校で教えておられたお料理のレシピノートによって、その頃の事を思い描き、先生がどのような思いを持って教えられたのかを考えながら実際にレシピに沿って料理を作り、実際に試食して当時のことを検証しています。先生のノートは全て英語です。その当時の生徒さんは英語でお料理のレシピを書かれ、その料理の感想を英語で、お手紙にしてデントン先生に提出されたのですね。先生がそれを添削し、お返事なさっているノートです。覚えてられますか?
 綺麗に書かれたノートには先生のお褒めの言葉が書かれています。ノートの中の「マーブルケーキ」レシピは先生が大正皇后陛下に差し上げたと言われるケーキですね。その当時、西洋のケーキは珍しかったのでしょう。私たちもマーブルケーキを作り、その当時の事を思い描いています。食品の扱い方、手順、片付けを通し先生の息遣いが伝わってきます。先生が参考にされていたご本が今、図書館に保存されていますが、いたるところに先生のメモが書かれていました。愛情を持って 一人一人の生徒さんに接しておられた先生の人となりがよくわかります。
 私たちは先生のその愛情を持って育てられた先輩の意思を受け継ぎ、こんにちまで同窓会の運営をして参りました。先生が常に言っておられた「日本で一番良いところは京都。京都で一番良いところは同志社。同志社で一番良いところは女子部」のお言葉でもわかるように、心から女子部を愛し、女性の自立をキリスト教主義によって教えてくださった先生の深い愛に感謝いたします。今もこれからも、天上の先生が私たちを守り導いてくださっていることを覚えて、日々の歩みを一歩一歩、進めて行きたいと願っています。先生、どうか世界各国にある8万人以上の同窓生のことを天上より見守り、祈っていて下さい。私たちも先生が残された志、大きな愛を忘れることなく、次の時代に引き継ぎ、先生が喜んでくださるよう、キリストの愛を述べ伝えつつ同窓会運営に励み、また同志社がますます発展するように、それぞれが与えられた能力に応じて力を出し合い、助け合って一層努力を重ねていきます。
 来年は先生ご永眠70年の年です。私達は先生を偲び、先生を知らない世代の人たちにも先生を身近に感じていただこうと、記念会を計画しています。先生、同志社女子部の生徒や、学生が歌う讃美歌を聴き、先生、どうかいつまでも私達のそばにいて、見守り、励まして下さい。最後に先生の愛唱賛美歌306番「わがきみエスよ」をお捧げいたします。

この賛美歌は、メリー・フロレンス・デントン先生の告別式の時に先生の愛唱歌として、女専聖歌隊によって歌われた賛美歌です。その時の奏楽は、クラップ先生でした。明治36年版の賛美歌で今も女子大資料室にクラップ先生の賛美歌、デントン先生の賛美歌2冊が所蔵されています。女子中高で音楽教師としてお働きくださいました三好先生に歌っていただきお捧げいたします。デントン先生お聞きください。

 

 祈祷:

天地万物の創造主であ る私たちの神様。今日は、デントン先生墓前礼拝におきまして短い時間ではありましたが、ひとときデントン先生を偲び、先生の人となりを思い起こさせて頂き感謝いたします。ここに出席の皆様そして同志社同窓会に連なる全ての同窓生が、デントン先生が母校に注いでくださった大きな愛を心に留めて、母校のために祈るものとして下さい。69年経った今でも先生が私たちを見守り、導いていてくださることを感じています。どうぞ先生が残された一言一言を大切に引き継がせて下さい。今日は先生とお話しできて本当に嬉しいでした。神様ありがとうございます。
今日、ここにお集りの皆様お一人お一人の上に神様の豊かな祝福がありますように。デントン先生永眠69年墓前礼拝を捧げることできましたことに感謝して、この祈りを主イエス・キリストのみ名を通して御前にお捧げいたします。
アーメン

2016年度 ミス・デントン永眠記念墓前礼拝 ご案内

  • 日時 : 2016年12月22日(木) 11:00~11:30
  • 場所 : 相国寺 長得院 (地下鉄今出川下車) 
  • 奨励 : 玉村 三保子(同志社同窓会会長)
  • 奨励テーマ: 「デントン先生への手紙」

1888年の来日以来、太平洋戦争中も含め59年間にわたって同志社女子部のために尽くされたデントン先生の永眠記念日(12月24日)を憶え、毎年、墓前礼拝を行っています。
どなたでもご参加ください。

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