Harmony for JAPAN 2014

 
  • 日 時 : 2014年 3月8日(土) 17:00~21:00・9日(日)11:00~17:45
  • 場 所 : 京都府長岡京記念文化会館
  • 入場料 : 二日通し券 1,500円

 

 

 

群青の子ら

福島県南相馬市立小高中学校 教諭 小田 美樹

 小高中学校のある福島県南相馬市小高区は、福島県の東端、浜通りと呼ばれる地域にあります。福島第一原子力発電所の北、半径20km圏内に全域が入り住民全員が今なお避難生活を送っています。

 平成24年度の卒業生は東日本大震災当時の1年生でした。106人いた学内の生徒のうち2名が震災時の津波の犠牲となり、97名がその後の原発事故による避難のため、北は北海道、南は長崎まで散り散りとなりました。4月22日にやっと市内の中学校を間借りして学校を再開したときには学年の生徒はたったの7名となっていました。

 ある日、誰がどこにいるのかを確かめながら仲間の顔写真を大きな日本地図に貼り付けていると、生徒たちは口々に「遠いね」「どうやったら行けるの?」「でも、この地図の上の空はつながってるね」などの気持ちを述べました。その日から、「群青」の詩の核となる生徒たちの日々のつぶやきを綴る毎日が始まりました。

 小高区は「紅梅の里」と呼ばれており、小高中学校はその紅梅の色をイメージした「エンジ色」がスクールカラーとなっています。しかし校歌に「浪群青に踊るとき」という一節があることから、文化祭は「群青祭」という名称であり、野球チームも「小高群青クラブ」と名付けられています。「群青」とは本校に関わる誰もが自分たちの色と感じている色の名前であり、私たちの絆そのものです。

「群青の子ら」は「群青の町」で再び集う日を思い描き今日もどこかで同じ空を見上げて頑張っているはずです。そして、そう思い続けることが私がここで今日を生きる力ともなっています。いつかあの美しい小高で「群青の子ら」と再会できる日を信じています。

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